落ちたら死ぬ?Salève霧の崖
★ジュネーブ観光で定番のSaleveハイキング
山の途中スタート地点
この崖の上まで…5時間半?
とても有名な観光どころのSalèveに、ハイキングにある日曜日に行くことにした。
観光客がやるのは、ケーブルカーで頂上付近までいって1時間ほど軽いハイキングが定番。でも、それではちょっと物足りないと、あえて車で山の途中まで行き、駐車場から登ってみることにした。
ところが、スタートしてすぐのマップに5時間半かかると書いてある!
そんなに大変なのに、駐車場争いも激しいスポーティなここはジュネーブ国境からすぐのフランスの山。
今回は、ラッキーで車が停めれ、はりきってスタート!
ハイキングする人々は大半がスティックを持参。
そんなに厳しいの?ちょっと不安がよぎりながら、そのままススム。
ビューポイントも若干霧がかる
洞窟
★崖で一歩足を踏み外したら…死亡?
かなり急な崖なのに、何故走る⁈フランス人って…
フランス人はどこまでスポーティなんだか。
これまでの雨で葉っぱがとても滑りやすく危険だ。
そして、霧で見えないがかなり高いところの細い道は崖っぷち。
それなのに何を思ってか、ランニングする人々が!
命がけで走るフランス人の心境は、とても理解できない。
絶景スポットのはずが、霧で何も見えない
途中の看板には、
「危険ゾーンでここにいとどまらないように」
と書いてあった。
そんなに危険で、ロープも何もなく幅50cmくらいの濡れた葉で滑りやすい箇所も多々ある、このハイキングコース。
★すれ違う人々
最初にあったおじさんに、
「朝はとても危険だから気をつけて」
と言われたのも納得。
霧でとても神秘的な光景
それでも本当に危ない箇所には、ちゃんと階段や手すりも設置してくれている。
でも、実はこれらもとても急!
途中で、イタリア人の10歳くらいの男の子が立ち往生。
イタリアンママが一生懸命に説得するが、動こうともしない。
「怖がって来てくれないのよ」
と困り果てていたので、
「うちのこどもは、もう最初から来てくれないくらいなので、お母さんの気持ちが分かる。GOOD LUCK!」
と言い、お母さんとこどもにちょっと同情しながら、先を進む。
ちなみにこの少年、空っぽのチョコレートの袋を握りしめて空を泣きそうな顔で眺めていた。うちも昔は、チョコやスイーツでこどもを釣って、何とかハイキングさせた。
でも、この少年後には、ちゃんと怖い道を通過できていた。頑張ったようで良かった。
こんな急な石の道。
もし手すりがなければ、みんな落ちまくることは間違えないだろう。
でも、驚いたことに片足で杖を突きながらハイキングをたった一人でしているおじさんもいた。しかも、私などもたもたする道も、声をかけてくれたりする余裕ぶり。
元気で、気持ちのいいおじさんだ。
今回は頂上までは、この景色を見れたので諦めた。
5時間半は、そんなスポーテイなフランス人でない、日本人の私達には辛すぎる。
残念ながら、まだ落ちて死にたくないので、1時間半経過で諦めることにしてしまった。
日本やスイスだったら、ローブが貼ってあったり、注意書きもありそうなエリアだが、ここはフランスの山。自分で責任もって危険なエリアに来ているのだから、落ちても自業自得なのだろう。
夫婦でこんなフランスの山で落ちたら、うちのこどもが一人で対応できるとは思えないので、まだ死ねない。
そんなことを思いながら、機敏なフランス人たちに抜かしてもらい、自分のペースでゆっくり、滑って異国で死なないように気をつけて、一歩一歩進んだ。
それでも、地盤が床るんで一か所だけ少し滑ってしまったが、幸い崖ではなく、すぐに手をついたので落下せずにすんだ。
そんな道も、小学生の8歳くらいの父と娘に、
「頑張って」
などと応援されながら、抜いて先に行ってもらった。
フランス人のこどもは可愛いし、なかなか逞しい。
こんな崖のハイキング
ようやくスタート地点に戻り一安心
駐車場付近のベンチを見つけて、頂上で食べる予定だったランチのサンドイッチをほおばる。
激しい運動の後、ほっとして山を見ながら食べるバゲットサンドは、生きていてよかったと思える味だ。
持参の暖かい紅茶を飲みながら、ほっと一息して見ると、結構綺麗な山だ。
霧で白くて、登山中はよくわからなかったけど…
今日は山の上の方が霧で曇っていて、山の下は晴れていた!
そんな日もある。